Treatment
治療について
痔瘻根治手術について
痔瘻根治手術は、痔瘻を完全に治すことができる唯一の治療法です。 痔瘻は自然に治ることはなく、薬物治療では根治できません。瘻管(膿の通り道)を完全に切除または開放することで、再発リスクを最小限に抑え、根本的な治癒を目指します。港北肛門クリニックでは、豊富な経験を持つ専門医が、肛門機能の温存を最大限配慮した手術を行います。
手術の適応(対象となる方)
痔瘻根治手術は、以下のような状態の方に適用されます。
手術適応の症状・状態
- 肛門の周囲から膿や分泌物が継続的に出る
- 肛門周囲膿瘻の切開排膿後、痔瘻が形成された
- 痔瘻による症状が日常生活に支障をきたしている
- 痔瘻が複雑化している(枝分かれ、深部進展など)
- 過去に痔瘻の治療を受けたが再発を繰り返す
- 将来的な合併症のリスクを避けたい
肛門周囲膿瘍の段階の方は → 肛門周囲膿瘍・直腸周囲膿瘍の切開排膿術について
手術術式の選択
痔瘻根治手術は、痔瘻の分類(I-IV型)、瘻管の走行、肛門括約筋との位置関係 に応じて最適な術式を選択します。
主要な術式
Lay open法(切開開放術)
- 適応: 比較的浅い痔瘻(I型、一部のII型)
- 方法: 瘻管を皮膚側から切開し完全に開放
- 特徴: 確実性が高い、治癒期間が短い
- 括約筋への影響: 軽微
くりぬき法(括約筋温存術)
- 適応: 括約筋温存が重要な症例
- 方法: 瘻管全体を周囲組織から剥離して摘出
- 特徴: 肛門機能への影響を最小限に抑制
- 技術的難易度: 高度な技術が必要
Hanley変法
- 適応: 深部や複雑な痔瘻(III型、IV型)
- 方法: 瘻管の一部または全部を切除し、深部を縫合閉鎖
- 特徴: 複雑症例に対応可能
- 治癒期間: やや長期
術式選択の考え方
港北肛門クリニックでは、瘻管を完全に除去しつつ、肛門機能を最大限温存する ことを最重要視して術式を選択します。患者様の年齢、職業、生活スタイル、痔瘻の複雑さを総合的に判断し、最適な治療計画をご提案いたします。
手術の詳細
麻酔・手術時間
- 麻酔方法: 腰椎麻酔(一般的)
- 手術時間: 30分〜90分(痔瘻の複雑さによる)
- 体位: 砕石位または腹臥位
手術手順
- 術前準備: 詳細な診察と必要に応じた画像検査による瘻管の把握
- 麻酔導入: 腰椎麻酔による十分な除痛
- 瘻管の同定: 一次口、二次口、瘻管走行の確認
- 瘻管処理: 選択した術式による瘻管の処理
- 止血・縫合: 完全止血と必要に応じた縫合
- ドレナージ: 術後感染予防のための適切なドレナージ
手術の精度を高める取り組み
- 詳細な術前診察 による瘻管走行の正確な把握
- 術中色素注入 による瘻管の完全同定
- 術中ゾンデ挿入 による瘻管走行の確認
- 豊富な経験 に基づく的確な診断と術式選択
入院・術後経過
入院期間
- 標準的な入院期間: 2〜7日間
- 単純な痔瘻: 2〜3日間
- 複雑な痔瘻: 5〜7日間
- 日帰り適応: 表在性の症例のみ
術後経過
入院中の管理
- 疼痛管理: 消炎鎮痛剤による適切な痛みのコントロール
- 創部管理: 清潔保持と感染予防
- 排便管理: 便秘・下痢の予防、適切な便性の調整
- 活動制限: 段階的な活動量増加
退院後の注意点
- 創部ケア: 入浴時の洗浄、ガーゼ交換
- 生活制限: 重労働・長時間座位の制限(術後1週間)
- 排便管理: 下剤使用による適切な便性維持
- 通院: 定期的な創部チェックと経過観察
港北肛門クリニックの入院環境
19床の入院設備を完備し、清潔で快適な入院病室(個室・多床室)、24時間体制の看護ケア、無料WiFi環境など、安心して治療に専念できる環境を整えています。
期待される効果
根治性
痔瘻根治手術の最大のメリットは、痔瘻を完全に治癒できることです。 適切に瘻管を処理することで:
- 膿・分泌物の停止
- 痛み・不快感の解消
- 日常生活の質の向上
- 将来的な合併症の予防
機能温存
港北肛門クリニックでは、治癒だけでなく 肛門機能の温存 を重視しています:
- 括約筋の最大限の保持
- 術後の肛門機能評価
- 必要に応じたリハビリテーション指導
手術のリスクと合併症
一般的なリスク
- 出血: 術後出血(稀、適切な止血により予防)
- 感染: 創部感染(抗生剤投与により予防)
- 疼痛: 術後疼痛(鎮痛剤により管理)
特有のリスク
- 再発: 瘻管の取り残し(2-5%程度)
- 肛門機能障害: 括約筋損傷による便失禁(術式選択により最小化)
- 肛門変形: 過度の切除による変形(適切な切除範囲により予防)
- 治癒遅延: 複雑症例での創部治癒遅延
リスク軽減への取り組み
- 術前精密検査 による正確な診断
- 術式の慎重な選択
- 術後の継続的管理
- 患者様への十分な説明と協力
重篤な合併症が生じた場合は、速やかに当院へご連絡ください。 24時間体制での緊急対応が可能です。