Symptoms
症状について
便が細い
便の太さや形状の変化は、食生活や体調に影響を受けやすい症状です。しかし、「便が細い(便性狭小化)」という状態が持続する場合、それは大腸の内腔が物理的に狭くなっている重大なサインかもしれません。この症状は軽視されがちですが、特に以下のような症状が一つでも当てはまる場合は、大腸内腔に物理的な狭窄が起こっている可能性が高く、早期の精密検査(大腸カメラ)が必要です。
- 以前はなかった便秘と下痢を繰り返すなど、最近になって排便習慣が急に変化した
- 便に血が混じっている(血便)、または便潜血検査で陽性になった
- 便が細くなった状態が数週間以上持続している
- 食事量を減らしていないのに、意図しない体重減少がある
- 原因不明の貧血が指摘された
- 持続的な腹痛や、お腹の張りが続く
- 排便後も便が残り、すっきりしない残便感がある
この症状が考えられる主な疾患
便が細くなるメカニズムは、「腸管や肛門の物理的な狭窄(器質性疾患)」と「大腸の運動機能の異常(機能性疾患)」の2つに大別できます。特に器質性疾患は早期発見が重要です。当院では、大腸内科・大腸肛門科の専門性を活かし、これらの原因を正確に診断します。
- 大腸がん・大腸ポリープ 大腸の粘膜にできたがんやポリープが大きくなると、腸管の内腔が物理的に占拠され、便の通り道が狭くなります。特に大腸の左側(S状結腸や直腸)に病変ができた場合、便がすでに固形化しているため、通過障害が起こりやすく、細い便となって現れやすい特徴があります。便が細いことに加え、血便や排便習慣の変化を伴う場合は、緊急性の高いサインです。
- 痔核(いぼ痔) 肛門の血管がうっ血して腫れた痔核(いぼ痔)が、肛門管の内側を圧迫することで、便の通り道が狭くなり、結果として便が細くなります。排便時の出血、痛み、かゆみ、粘液の分泌などの症状を伴うことがあります。
- 裂肛(きれ痔) 慢性的に裂肛(切れ痔)を繰り返すと、傷の治癒過程で瘢痕組織が硬く肥厚し、肛門が常に狭い状態(肛門狭窄)となることがあります。これにより、硬い便や正常な便が通過する際に肛門が十分に広がらず、便が押しつぶされて細く排出されます。
- 炎症性腸疾患(IBD:潰瘍性大腸炎・クローン病) 腸管に慢性的な炎症が生じ、治癒の過程で腸管の壁が硬化し、瘢痕組織が形成されることで腸管が狭くなります(狭窄)。これにより便の通過性が悪化し、細い便となります。血便を伴う慢性的な下痢、持続する腹痛、体重減少、貧血といった全身症状を伴うことが多い指定難病です。
- 虚血性大腸炎 腸管への血流が一時的に途絶えることで起こる虚血性大腸炎の重症例では、炎症が治癒した後、その部位に瘢痕(傷跡)が残り、腸管が狭窄(狭くなること)することがあります。
- 大腸憩室症(憩室炎後の狭窄) 大腸憩室(腸管にできた袋状の突出部分)が炎症を起こす憩室炎が重症化し、その炎症が治った後に瘢痕組織ができることで腸管が狭くなることがあります。
- 過敏性腸症候群(IBS) 大腸の運動機能や知覚機能に異常が生じる機能性疾患です。慢性的なストレスや緊張などにより大腸が痙攣的に収縮すると、便が異常に押しつぶされ、細い便として排出されることがあります。この疾患の診断は、大腸カメラ検査などによって大腸がんやIBDといった器質的な病変が完全に除外された後に初めて下されます。
- 便秘症(機能性便秘) 慢性的な便秘の場合、便が腸内に長く留まりすぎて水分が過度に吸収され、硬い塊になります。この硬い便が肛門を通過する際に、無理に絞り出されたり、便のボリューム自体が減少したりすることで、結果的に細い便となって見えることがあります。
- 腸管外からの圧迫 子宮筋腫、卵巣嚢腫といった骨盤内の腫瘍が大きくなり、外側から大腸を圧迫することで、便が細くなることもあります。