Symptoms
症状について
ネバネバした便やゼリー状の便が出る(粘液便)
排泄された便にゼリー状、あるいは鼻汁のようなネバネバした物質(粘液)が混ざっている状態を「粘液便」と呼びます。健康な状態でも便をスムーズに排出するために少量の粘液は分泌されますが、以下のような目立つ変化が見られる場合は、大腸や肛門に何らかの異常が発生しているサインです。
- 便の周りに透明または白色のネバネバした粘液が多く付着している
- 粘液が血液と混ざり、赤色(粘血便)になっている
- 粘液が黄緑色や深緑色になり、強い悪臭を伴う
- 粘液便とともに、腹痛、発熱、下痢、体重減少などの全身症状がある
この症状が考えられる主な疾患
粘液便は、大腸の粘膜が何らかの刺激や炎症を受けているサインです。当院では、粘膜に形態的な変化を伴う重篤な疾患から、機能的な問題まで幅広く原因を特定します。粘液便の背景に考えられる主な病態は以下の通りです。
- 炎症性腸疾患(IBD):潰瘍性大腸炎・クローン病 大腸または消化管全域に慢性的な炎症や潰瘍が発生する自己免疫性疾患です。粘膜が常に刺激され損傷しているため、防御反応として大量の粘液が分泌されます。特に、潰瘍性大腸炎では粘液便や粘血便が頻繁に見られ、腹痛、下痢、発熱、体重減少などを伴うこともあります。
- 大腸がん・大腸ポリープ 大腸内の腫瘍(がんやポリープ)が粘液を分泌したり、腸壁を刺激することで粘液便が生じることがあります。腫瘍からの出血を伴い、粘血便となって現れることも多く、便通の急な変化(便が細くなるなど)や体重減少も重要なサインです。
- 細菌性大腸炎 サルモネラ菌などの細菌感染により、急性かつ激しい大腸炎が起こった状態です。大腸粘膜が強く炎症を起こし、高熱や激しい腹痛とともに、鼻汁様の粘液便が出ることが特徴です。典型例では、黄緑色から深緑色の粘液が強い悪臭を伴うこともあります。
- 過敏性腸症候群(IBS) ストレスや自律神経の乱れなどにより、腸の蠕動運動や知覚が異常をきたし、下痢型、便秘型、または混合型の便通異常とともに粘液便を伴うことがあります。IBSによる粘液便は、大腸内視鏡検査では粘膜に形態的な異常が見られないのが特徴であり、炎症性疾患との鑑別が重要です。
- 慢性便秘症 便が硬く腸管内に長時間停滞することで、硬い便が腸壁を機械的に擦り、摩擦を減らすために粘液が過剰に分泌されることがあります。この粘液が硬い便の周囲に付着した状態で排出されるため、粘液便として認識されます。
- 痔疾患(痔核、裂肛など) 排便時の強いいきみや、硬い便による刺激が原因で、肛門周囲の炎症部位や痔核から粘液が排出されることがあります。この粘液が便に付着したり、排便後に下着に付着したりすることがあります。